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【イベントレポート】インターンシップで始めるキャリア形成 ~環境・エネルギー分野のスタートアップで飛躍のチャンスをつかめ~

April 1, 2026

2026年3月25日、CIC Tokyoおよびオンラインのハイブリッド形式にて、イベント「インターンシップで始めるキャリア形成 ~環境・エネルギー分野のスタートアップで飛躍のチャンスをつかめ~」が開催されました。このイベントは、環境・エネルギー分野でのインターンシップを契機にキャリアを歩み始めた経験者や、インターン生を募集するスタートアップ経営者が登壇し、現場のリアルな声やキャリア形成への影響を共有する目的で開催されました。

 

■ オープニング:E&Eコミュニティの紹介

イベントの冒頭、CIC Tokyo / E&Eコミュニティ事務局より、主催である「環境エネルギーイノベーションコミュニティ(E&Eコミュニティ)」の紹介が行われました。同コミュニティは2021年9月に設立され、現在は大企業やスタートアップなど約1,800名が参加しており、地方自治体とも連携しながらイノベーション創出を支援していることが共有されました。

■ 第1部:環境・エネルギー分野のスタートアップへの期待と政策的支援

(経済産業省GXグループ環境政策課の屋田春希氏)
イベントではまず最初に経産省の奥田氏より国のGX(グリーントランスフォーメーション)戦略やスタートアップ支援について解説が行われました。

屋田氏は、GXが単なる「脱炭素」ではなく、「エネルギーの安定供給」「経済成長」「排出削減」の3点を同時に達成するトライレンマの解決を目指すものであると説明が行われました。
また、今後10年間で官民合わせて150兆円超の投資が必要とされる中、国が公共調達などを通じて「初期市場」を自ら作り出し、ディープテック系スタートアップの研究開発から社会実装までを手厚く支援していく方針だということです。

■ 第2部:インターンシップ経験者に聞く
モデレーター
・U3イノベーションズ共同代表 竹内純子氏


パネリスト(インターン経験学生)

・元U3Innovations 松井俊樹さん

・元Innfra 岩崎友哉さん

・元EnergyLab 藤瀬リサさん

・CIC Tokyo 佐藤 あゆみさん


第2部では、U3イノベーションズ共同代表の竹内氏をモデレーターに迎え、4名のインターン経験者によるパネルディスカッションが行われました。ここでは、インターンで得たメリットや直面した苦労が赤裸々に語られました。

インターンで得られたメリット・学び

  • 松井さん: 「既存の技術を組み合わせて新しい価値を創り出す、泥臭い試行錯誤のプロセスを経験できたこと。1週間実証施設に泊まり込んで実験を行うなど、スタートアップならではの密度の高い現場体験ができ、現在のコンサルタントとしての事業開発業務の糧になっている」
  • 岩崎さん: 「社名が決まる前の段階から関わることができ、ビジネスが立ち上がる『0から1』の瞬間を体験できた。地元(山梨県)が抱える課題に対し当事者として関わり、そのまま新卒1号社員として入社するほど、深い納得感を持ってキャリアを選択できた」
  • 藤瀬さん: 「『1ヶ月で成果を出す』という明確な目標を持って臨んだ結果、無給インターンであってもその後のキャリアに直結する大きなスキルと自信を得られた。自分が何をしたいのかという軸が明確になった」
  • 佐藤さん: 「『学生』という特権を活かし、通常では会えない役員や社長と対等に話し、現場のリアルな情報を得られた。学問として学んでいる内容が、実際の現場でどう社会実装されていくかを見られた」

直面した苦労やギャップ
一方で、スタートアップならではの「未完成な環境」ゆえの壁も共有されました。 松井さんは「学業と泊まり込みでの実証実験との両立に苦労した」と語ったほか、岩崎さんや藤瀬さんからは「決まった業務ではなく、何も決まっていない段階から自ら動く必要があった」「受け身でいると何も得られない厳しさがあった」というリアルな苦労が挙げられました。
また、佐藤さんからは「専門知識が不十分な中で、最先端の技術やビジネスモデルをリサーチする難しさ」など当時の苦労が語られました。

本パートでは参加パネリストから「総じて、整えられた環境ではなく「0から1を作るプロセス」に能動的に関与することこそが、最大の価値につながったと」いう共通のメリット・認識が語られました。

■ 第3部:スタートアップ経営者からの若手人材への本音

第3部では、EX-Fusion(EX4Energy)の伊藤剛氏と、JOYCLEの小柳氏が登壇し、若手人材に求める資質についてのトークセッションが行われました。

伊藤氏は、エネルギー領域特有の性質について、「AIは便利だが、エネルギーは物理的な『ワット』の世界。雨が降れば工事は遅れるし、ハードウェアがなければ何も始まらない。この物理的な摩擦がある世界を突破できる人材が必要」と指摘しました。 小柳氏は、自社で展開する分散型ごみ資源化インフラの事業に触れつつ、「スタートアップは役割が固まっていない。自分で課題を見つけ、プロジェクトを動かす意欲があればインターンでも大きなリーダーシップを発揮できる」と述べ、両者からは最初から「戦力」としての当事者意識を求めていることが明かされました。

■ まとめと今後

最後にモデレーターの竹内氏より、今回のイベントの総括が行われ「デジタル全盛の時代だからこそ、エネルギーや水、ごみといった「物理的な社会基盤」を支える仕事の価値が再認識されていること、そしてこの分野での泥臭い現場経験が、大企業や官公庁を含めたあらゆるキャリアの強力な土台になる」という現在、環境・エネルギー分野のスタートアップが果たす役割について伝えられました。そしてこの分野に少しでも興味を持った学生や若手社会人に向けては、E&EコミュニティのSlackへの参加や各登壇者への積極的なコンタクト(カジュアル面談等)が呼びかけも行われ、イベントは盛況のうちに閉会しました。


本イベントは、日本の強みを活かしたGX(グリーントランスフォーメーション)推進とスタートアップの成長に向けて、現場のリアルな課題と可能性を多様なプレイヤーが共有し、今後の環境・エネルギーエコシステムの発展に向けた次世代人材の参画と連携の重要性を再確認する機会となりました。

CICは今後も、スタートアップ・投資家・企業、そして次世代を担う学生が交差するハブとして、社会課題解決に挑むスタートアップの創出とエコシステムの発展を支えていきます。