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開催レポート:一般社団法人/株式会社ピリカ記者発表「国内水域におけるマイクロプラスチック等の流出実態調査」

April 19, 2021

世界中で深刻化し取り沙汰されてもなかなか改善しないごみ問題。国内でもプラスチックごみの削減が大きなテーマになりつつあります。プラスチック流出問題は重大かつ不可逆な影響を及ぼす懸念があり、予防原則が適用されるべき問題とも考えられています。そのような重要な問題に、株式会社/一般社団法人ピリカは科学技術の力でごみ問題をはじめとした環境問題の克服に取り組み、近年特に国内外から注目を集めています。

3月25日にはCIC Tokyoにおいて、株式会社/一般社団法人ピリカの発表会を開催いただきました。当日は代表取締役 小嶌 不二夫氏が登壇し、2020年度に行った日本国内におけるマイクロプラスチック等の流出実態調査の結果を発表し、その当日の様子はYouTubeリアルタイム配信され、報道機関や者・自治体、調査研究機関など多くの方に視聴いただきました。

そして株式会社/一般社団法人ピリカが独自に開発した、マイクロプラスチックの流出実態調査手法「アルバトロス」の紹介へ。この調査手法では、河川や湖など狭いところでも使用可能な専用装置「アルバトロス7」を用います。従来、行なわれている船での調査に比べると低コストでたくさんの場所の調査が可能になり、国際連合のプロジェクトをはじめとして世界中で活用されているとのことです。当発表会では「アルバトロス7」の実物をお持ちいただき、来場者も触れられるように展示いただきました。実物を見ても、その持ち運びのしやすさや、必要最低限の部品で効果的に作られていることがわかります。尚、アルバトロスは日本語にするとアホウドリという意味で、プラスチックの誤飲により命を落としてしまうことでも知られている鳥の名前です

コロナ禍では、日本各地に現地調査へ行くことが困難になる中、パートナーシップ構築を強化し、全国20自治体、2大学と連携の元、連携先の皆さんにアルバトロス7を使ってもらいながら調査を進めたそうです。(ピリカは調査結果の情報公開も積極的に行っており、原則オープンデータとしてウェブに公開し、調査地点も地図を使用しわかりやすくまとめています。)

 

今回の調査では、国内120箇所112地点でマイクロプラスチックを検出し、その多くから身近な人工芝、コーティング肥料、発泡スチロール等の製品が見つかったとのことです。東南アジアやEU諸国の調査と比較すると、日本は人工芝流出がEUの25倍、 東南アジアの2倍と高く、優先的に取り組まなくてはいけない製品とのことでした。また、今日、ストローやスプーンなどがプラスチック流出問題で注目されていますが、一方で、知られていないけれども多大な影響を与えている製品があることを認識することが重要と強調されていました。加えて、更なる人工芝流出の実態解明や問題解決に向けて住友ゴム工業株式会社や清水建設株式会社の連携をしていることも発表されました。

会場では、マイクロプラスチックとして流出しやすい射出成形人工芝の実物や、流出現場から回収した人工芝から作ったリサイクルボトルの見本なども展示していただきました。マイクロプラスチックをリサイクルして新しい製品として活用できれば、ごみが資源となり、流れ出すプラスチックの回収に積極的に取り組んでもらえるのではないか。との考えから、新しい資源としての活用方法を研究しているそうです。

なお、株式会社/一般社団法人ピリカは今回発表した河川や海洋におけるマイクロプラスチック流出への取り組みだけでなく、ごみ拾いSNSの開発・運営やゴミの調査も行っています。ごみ拾いSNS「ピリカ(=アイヌ語でキレイ)」では、自治体や企業と連携しながら、環境問題の解決に多大に貢献しています。ごみ拾いSNS「ピリカ」のユーザーが108カ国、1.8億個のごみを回収するなど、世界中で使われています。

研究室から生まれた株式会社ピリカは、先日CIC Tokyoで開催した「環境スタートアップ大賞」でも環境大臣賞を受賞しました。日本を代表する環境系スタートアップとして、今後も躍進を期待しています。

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