2023年度茨城県「ベンチャー企業成長促進事業(成長プログラム)」採択企業決定
CIC プレスリリース
2023年度茨城県「ベンチャー企業成長促進事業(成長プログラム)」採択企業決定

CIC Instituteが茨城県から受託・運営している「ベンチャー企業成長促進事業(成長プログラム)」の2023年度採択企業が決定しました。今後採択企業に対しては各社が抱える課題やニーズに合わせた支援をしていきます。なお、2021年度・2022年度の採択企業に対しても引き続き支援を実施していくとともに、茨城県におけるスタートアップコミュニティを構築していくことを目的に、ベンチャー企業(スタートアップ)の支援企業や、国内外の大手事業会社等とのネットワーク形成に力を入れていきます。

1. 事業概要
(1)茨城県「ベンチャー企業成長促進事業(成長プログラム)」とは

茨城県から本格的な事業展開やエグジット(IPO・M &A)まで到達するようなベンチャー企業(スタートアップ)を創出するため、研究機関が集積する茨城県の強みを活かし、今後大きな成長が期待されるディープテック分野(※)のベンチャー企業(スタートアップ)に対し、今後の成長に向けた支援を行う事業です。採択企業には、メンタリング、マッチング、セミナー、海外支援者の紹介など、CICの有する国内外のネットワークを活用し、採択企業のニーズにあわせたテーラーメイドの支援が提供されます。
※ディープテック分野:ライフサイエンス(医療、創薬、医療・福祉機器、農業、食品等)、環境・エネルギー、電子デバイス、素材など

 

 

(2)支援対象

1)事業開始後、概ね10年未満のベンチャー企業であること。
2)原則として、茨城県内に拠点を持ち、または、茨城県内の研究機関や大学等とゆかりがあるベンチャー企業であること。
3)ディープテック分野(ライフサイエンス(医療、創薬、医療・福祉機器、農業、食品等)、環境・エネルギー、電子デバイス、素材等)の企業であること。※昨年度本事業に応募し採択・不採択となった企業の応募を妨げるものではない。

 

 

(3)支援内容(2023年度採択企業)

1)メンタリング・伴走支援、2)専門セミナー、3)マッチングイベント等の実施により、それぞれのベンチャー企業が必要とする支援を個別にアレンジすることにより、効果的な成長に向けた支援を行う他、ベンチャー企業の成長を支える企業や国内外の大手事業会社等とのネットワーク形成など長期的な成長にも必要なコミュニティづくりを行います。
(具体的な支援内容例)*支援対象企業とのヒアリングを通じて、支援メニューを決定
①資本政策・資金調達に係る支援
②研究開発・知財戦略に係る支援
③人材獲得に係る支援
④市場戦略・販路開拓に係る支援
※2021年度・2022年度の採択企業に対しても状況に応じ、継続したフォローアップ支援を行います 。

 

2. 2023年度採択企業一覧
–  2023年度採択企業(6社)-

採択企業一覧 (50音順)

※2023年度から対象企業をディープテック分野に変更

 

株式会社エンドファイト

<茨城大学発><アグリテック>

HP  https://endo-phyte.com/

エンドファイト社が保有する微生物「Dark-septate endophyte」(DSE)は、多種多様な植物の根に共生し、植物のストレス耐性向上や成長促進、花芽形成促進を可能とする。DSEを用いた苗を用いることで、通常では生育困難な荒廃農地において通常以上の有機農業を実現することが出来、農家の経営改善に加え、食糧危機の解消、土壌再生といった世界規模の社会課題解決を目指す。

株式会社Closer

<筑波大学発><ロボティクス>

HP https://close-r.com/company

中小規模の食品や物流の現場の包装・箱詰め領域を中心に自動化を実現するロボットパッケージの開発を行っています。包装・箱詰め、パレタイジングなどの「つかんで置く」タスクの自動化をAI画像処理・ロボット制御技術をコア技術とし、コンパクトに統合されたロボット開発を行っています。

株式会社Thermalytica

<NIMS発><クリーンテック>

HP https://www.thermalytica.com/

地球温暖化やエネルギー問題を解決し、子や孫の代までサステナブルな地球を残すために、グローバル規模で超断熱材TIISA®の社会実装を推進しています。超断熱性に加えて、世界で初めて液体のような流動性を持つ断熱材であるTIISA®とその応用ソリューションを通じて、水素社会の実現や産業の脱炭素対策を牽引していきます。

株式会社GCEインスティチュート

環境エネルギー

HP https://gce-institute.com/

当社は、環境熱を電気に変える環境熱発電技術の開発と実用化に取り組んでいるスタートアップ企業です。当社独自の温度差を用いない熱電変換技術により、身の回りに溢れている未利用熱を電気に変換し、エネルギー利用効率の向上、カーボンニュートラル実現に貢献します。

7G aa株式会社

<産総研発><通信(計測、5G、Beyond5G、6G)>

HP https://7gaa.co.jp/

産総研発ベンチャーとして、5G/Beyond5G&6G(主にミリ波帯)の計測及び通信事業を実施しています。産総研R&D成果より製品化した光伝送システムを実現するデバイスXGoc™を事業の根幹となるキラーアプリとして、独自の近傍界アルゴリズム、さらに高速通信技術を融合させた独創的ビジネスモデルを構築して事業展開しています。

 

 

ナノブリッジ・セミコンダクター株式会社

<NEC発><半導体>

HP https://nanobridgesemi.com

当社は独自技術であるナノブリッジを活用した、耐放射線・低消費電力の半導体チップの開発・製造・販売及びIPライセンシングを行っております。2019年にNEC筑波研究所所属の3名が設立した会社で、NECから知財譲渡を受けて2020年に本格稼働しました。研究開発は産総研で実施しており、本社はつくば研究支援センター内にあります。

3. 過年度採択企業一覧

ディープテック分野のベンチャー企業(スタートアップ)は本格的な事業展開やエグジットまで到達するまでに長期間を要するケースが多いため、本事業では、以下の2021年度・2022年度の採択企業(過年度採択企業)に対しても状況に応じ、継続して各社の成長に必要とされる支援を行っています。(なお、2021年度・2022年度はライフサイエンス分野のベンチャー企業を支援対象としています。)

 

2021年度・2022年度年度採択企業(7社)-

採択企業一覧 (50音順)

 

株式会社アークメディスン

<エーザイ発><創薬・創薬支援><2021年度採択>

HP https://alchemedicine.com/

アークメディスンは、新しい低分子医薬の研究開発に特化した企業です。独自の創薬合成技術HiSAP®により、薬効が弱い、副作用が強い、体内動態が足りないなどの先行薬の課題を短期間に改善することに取り組んでおり、創業から4年ほどで2本のライセンス契約と1本の共同プロジェクト契約(製薬会社)を締結することができました。

Qolo株式会社

<筑波大学発><医療機器・福祉機器><2021年度採択>

HP https://qolo.jp/

立ち上がることで車椅子使用者の潜在力を引き出し、よりよく働き、健康寿命が伸びる社会を目指し、起立訓練用「リハビリテーション機器」と立って移動できる「モビリティ機器」を2024年から提供します。 起立動作を支援する独自技術を中核に、情報技術と融合したリハビリDX、モビリティ技術と組み合わせたユーザー能力拡張を目指します。

CrestecBio株式会社

<筑波大学発><創薬・医療><2022度採択>

HP http://crestecbio.com/

酸化ストレスは、脳梗塞や心筋梗塞などの循環器疾患の他、炎症性疾患や免疫疾患など様々な疾患の発症や病態の悪化に関与しています。このような生体内で生じる酸化ストレス障害を解決できる筑波大学発の高分子ラジカル消去化合物の技術により、「脳と臓器を護る高分子医薬の開発」を行っています。

ときわバイオ株式会社

<産総研発><創薬・創薬支援><2021年・2022度採択>

HP https://tokiwa-bio.com/

ときわバイオ株式会社は、独自技術である「ステルス型RNAベクター(SRV)」を用いた、安全な遺伝子・細胞治療の実現を目指すベンチャーです。SRVは、細胞質で安定的に遺伝子を発現できる世界初のRNAベクターであり、10個以上の遺伝子を同時に搭載することができます。国内外のアカデミア・企業と協力して複数の創薬開発を進めています。

PLIMES株式会社

<筑波大学発><医療機器・福祉機器><2021年・2022度採択>

HP https://www.plimes.com/

筑波大学発スタートアップです。人工知能技術を活用した医療福祉機器および医療福祉システム等の研究開発・製造・販売。AI・IoT技術を用いた嚥下機能計測技術による、世界に先駆けた「嚥下計」の事業化を目指します。「食べられる喜びをいつまでも」を実現する食に関するサービスを提供していきます。

Veneno Technologies株式会社

<産総研発><創薬・創薬支援><2022度採択>

HP https://veneno.jp/ja/jphome/

当社は、活性と選択性、安定性を兼ね備えた優れた分子基盤であるジスルフィドリッチペプチドを迅速かつハイスループットに探索するプラットフォーム技術を有し、これまで開発が困難であった膜タンパク質を標的に、医薬品をはじめとして、農業やアニマルヘルス分野で活用できる機能性ペプチドの開発を行っています。

株式会社リーバー

<筑波大学発><医療支援><2022度採択>

HP https://www.leber.jp/

筑波大学発ベンチャーの株式会社リーバーは、ITを用いた医療サービス”LEBER”を提供。24時間365日、スマホを通じて医師への相談が可能で、115.4万件ダウンロード、408名の登録医師数を誇ります。健康観察機能は全国約1250校で利用され、健康データの自動集計により集団感染の予防に役立つ一方、チャットボットを用いた医療相談機能で利用者の不安を解消しています。

【 茨城県「ベンチャー企業成長促進事業(成長プログラム)について】

 本事業は、茨城県の産業が持続的に発展するために先端的な技術を有するベンチャー企業(スタートアップ)が次々と生まれ、成長する環境をつくり、ベンチャー企業(スタートアップ)の集積を図ること目的としています。このため、2021年度より、医療、創薬、医療・福祉機器等のライフサイエンス分野のベンチャー企業(スタートアップ)に対し、市場のニーズとのマッチングに向けたマーケティング戦略や、事業計画、資本政策、知財戦略等の策定に向けた伴走支援や、海外展開等の販路開拓支援、セミナー等を実施してきました。

 2023年度からは茨城県が目指す「ディープテック・スタートアップの世界的拠点都市の実現」に向けて、取り組みを加速化させていくため、ライフサイエンス分野のみならず、環境・エネルギー、電子デバイス、素材分野といった、ディープテック分野に支援対象分野を拡大し、今後の成長に向けた支援を実施します。

 

 

【 CIC Insitituteについて】

CIC Instituteとは、CIC Tokyoの一部として活動するイノベーションプロジェクト運営の専門部隊です。CIC、特にCIC Tokyoの、イノベーションエコシステム構築や、ディープテック関連スタートアップの支援における 知見を活かし、政府や地方自治体、大学などと連携しグローバルに成功を収めることのできるスタートアップの成長支援や、エコシステム構築業務を担っています。CIC Instituteは現在、多くの行政機関や大学関係のプロジェクトを遂行しており、エコシステムの発展やイノベーションを通じた経済発展に貢献をしていますが、自治体等の行政機関や民間企業からの高まる需要に合わせ、より多くのプロジェクトを 実行し、CIC Tokyoを含むCIC全体と緊密に連携しイノベーション創出を促進する部門として活動しています。