CIC Tokyoは国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という。)と連携し、ESG領域の研究開発型スタートアップや研究者を対象としたピッチコンテスト(賞金100万円)を3月18日(金)にCIC Tokyo&オンラインで開催しました。現地には約70名の来場者と、オンラインでは当日だけで500近い視聴があり、大変盛り上がる会となりました。最優秀賞として経済産業省産業技術環境局長賞が1組、優秀賞としてNEDO賞が3組、そして入賞者としてCIC Tokyo会長賞が3組のスタートアップ&研究者に贈られました。
ESG TECH BATTLE 2022は、NEDOが2021年度に新たに創設した、プレシード・シード期の研究開発型スタートアップ、研究者、起業家のためのピッチコンテストです。対象は環境エネルギー分野を中心としたESG関連領域で、2022年2月4日から3月3日までの募集期間に総勢130件以上の応募があり、書類選考を通過した国内外の20名のファイナリストが2022年3月18日にCIC Tokyoでピッチバトルを繰り広げました。現地70名、オンライン500の視聴があり、現地では展示会も開催され大変盛り上がる、注目度の高いピッチコンテストとなりました。
ピッチコンテストはこちらのYouTubeでご覧になれます:https://youtu.be/6OPYBCm45u8
<優秀者の表彰>
7名の著名な審査員による審査の結果、以下の受賞者がピッチバトルの頂点へと輝きました。
[最優秀賞] 経済産業省産業技術環境局長賞
鈴木 裕士 氏 / 株式会社エマルションフローテクノロジーズ 代表取締役社長CEO
株式会社エマルションフローテクノロジーズは、日本原子力研究開発機構が開発した新しい溶媒抽出技術「エマルションフロー」を都市鉱山で活用するという発想で、リチウムイオン電池などに含まれるレアメタルを低コスト、高効率、かつ高純度に回収する水平リサイクル技術を確立し、脱炭素社会の実現に不可欠なレアメタル資源の将来にわたる安定供給に貢献します。
https://emulsion-flow.tech/
[優秀賞] NEDO賞
南 賢尚 氏 / NUProtein株式会社 代表取締役
NUProtein株式会社のコア技術は、小麦製粉所から産生される小麦胚芽の搾り汁にmRNAを投入することで、有用タンパク質が10時間で合成できる無細胞タンパク質合成技術。これをSDGs実現の生産財として、培養肉・美容・医療に貢献し、有用タンパク質の水道哲学(無尽蔵に安価に提供)実現を目指す。
https://nuprotein.jp/
近藤 崇弘氏 / 株式会社ALAN 代表取締役
株式会社ALANは神経難病の患者さんのQOL改善に貢献することを目的とし、本年2月に創業されました。医工連携研究者、神経内科医、理工学博士学生から構成されており、臨床現場でのニーズを正確に捉え、最適なテクノロジーによるソリューションを開発します。
http://alan-healthcare.com/
後 圭介 氏 / Symbiobe株式会社 代表取締役
Symbiobe株式会社は持続可能な社会と産業の実現に向けて、光合成生物の持つ二酸化炭素固定と窒素固定の能力とバイオテクノロジーを駆使することで、空気資源化による「カーボンリサイクル」と食糧生産に必須の「窒素資源供給」を同時に実現する資源循環型物質生産プラットフォームの構築を進行中。
https://www.symbiobe.jp/
[入賞] CIC会長賞
西山すの氏 / 株式会社komham 代表取締役
株式会社komhamは、独自開発した生ゴミを高速分解する能力を持つ微生物群「コムハム」の研究と、その研究技術を用いた生ゴミ処理システムを自治体、不動産ディベロッパー、教育機関などへ提供しています。また、生ゴミ処理技術提供にとどまらず、弊社技術を応用したサービスや商品の開発を行い、誰もが意識せずとも環境にやさしい暮らしができるインフラ作りを進めています。
https://komham.jp/
松下 祥子 氏 / チームSTC・東京工業大学 准教授
半導体増感型熱利用発電、通称STCは、身近な熱で発電する薄くて軽い電池です。温暖化ガス排出量ゼロ、放射線の心配もない、天候にも左右されない、狭い国土にも対応するエネルギーソリューション。既にアスファルトの熱でのBluetooth通信機器作動が確認されてるSTCは、人類が安心して電気を使える社会の実現を目指します。
https://sachikomatsushita.jimdofree.com/home/research-contents/%20
Ralph Nicolai Nasara氏 / OOYOO Co., Ltd. COO
Founded in 2020, OOYOO Co., Ltd. is in the business of cleaning the air and other gases. The world has a 36 Billion tonne CO2 Emission problem. Current Technology to deal with with the problem costs too much energy and therefore too much money. The World needs a better solution as soon as possible to avoid disastrous climate change. Based on 8 years of University incubated research, with Japanese government funding, OOYOO’s core competency is the production of superior performance membranes that can reduce the energy costs of CO2 capture by one quarter.
https://www.ooyoo.co.jp/en/
各登壇者情報はこちら:https://esg-tech-battle-2022.peatix.com/view
<ファイナリスト>
上記の入賞者に加えて、130を超える応募の中から以下の13社が書類選考を勝ち上がったファイナリストとして登壇しました。
<ESG TECH BATTLE 2022 powered by NEDOの総括コメント>
本ピッチコンテストの総括として、主催者である国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 理事である久木田 正次様、経済産業省 産業技術環境局 エネルギー・環境イノベーション戦略室 室長の河原 圭様、CIC Japan 会長 & A.T.カーニー株式会社 日本法人会長の梅澤 高明よりピッチ登壇したスタートアップや研究者へのお祝いの言葉と期待の声を頂戴しました。また、各審査員より以下のコメントを頂戴しました。
[審査員]
関 美和 氏 / MPower Partners ゼネラル・パートナー
MPower Partnersは女性3人のGeneral Partner(無限責任組合員)で立ち上げたファンドであり社会課題を解決するところに重きを置いている。自分たちも起業家として新しい挑戦をしているが、起業家の皆様の熱のこもった話しを聞くことができ大変インスパイアリングだった。より多くの女性やマイノリティの起業家が社会課題解決に向けてチャレンジできれば良いなと思う。また、ESGの中ではどうしてもE(Environment)が注目されがちだが、S(Society)やG(Governance)の分野でも活躍するスタートアップが出てくることを期待する。
山口 浩一 氏 / 株式会社環境エネルギー投資 マネージングディレクター&エネルギーセクタースペシャリスト
本日のイベントを通して、素晴らしいスタートアップがおり、日本も捨てたものではないなと感じた。一般的に言われていることだが、技術が素晴らしいことももちろん大事だが、いかに売るかというところも技術以上に大事になることもあるので、そこもしっかりと強化して頑張ってほしいと思う。
Fariza Abidova 氏 / Trusted 株式会社共同設立者&CEO、SOPHYS 株式会社創業者
素晴らしいソリューションや技術を持ったピッチが多く、各技術だけで終わらずに大手企業のリソースを活かして、具体的なプロジェクトをデザインしてしっかりと導入して欲しい。Trusted社はヨーロッパと日本にフォーカスをして大手企業のオープンイノベーションをサポートしているのですが、日本とヨーロッパの社会課題がほとんど同じであり、日本発のソリューションはヨーロッパに展開可能なので、最初からグローバルを目指して自分たちのビジネスをスケールさせていただきたい。
鮫島 昌弘 氏 / ANRI ジェネラル・パートナー
みなさんのピッチを聞き、全会社に投資したい、投資する、と感じてしまうような勢いがあり、これから日本のディープテックのスタートアップのシーンも大きく変わってくると思います。本日は研究者の方も多く参加しており、そういう方たちが挑戦する、そういう後押しを僕らみたいな投資家やエコシステムビルダーとともしていけたらいいなと思いました。
竹内 純子 氏 & 伊藤 剛 氏 / U3イノベーションズ合同会社 共同代表
エネルギー分野のビジネスはゼロサムになってしまいやすい中、本日のピッチでは新しいフロンティアを開拓してパイを大きくしていくという思いの取り組み聞き大変勇気づけられ、共同でできることも多いと感じた。
梅澤 高明 氏 / CIC Japan 会長 & A.T.カーニー株式会社 日本法人会長
日本経済団体連合会が先日発表したスタートアップ躍進ビジョンを実現するには、ディープテック関連の様々な分野から高いポテンシャルを持つスタートアップを数多く生み出していくことが重要です。今日のイベントはそのための素晴らしい、アイコニックな場になったのかなと思います。
<今後の取り組み>
今回のピッチコンテストで優秀な成績を収められた7者には、CIC Tokyoより事業成長サポート1年分が提供されます。CIC Tokyoの持つ国内外のネットワークとコミュニティ(環境エネルギーイノベーションコミュニティなど)を存分に活用し、各社のニーズに応じたサポートを2023年3月まで行っていきます。
環境エネルギーイノベーションコミュニティについての詳細はこちら:
https://jp.cic.com/news/announce/ee_community/
また、今回大変多くのみなさまよりご応募をいただきましたので、”ESG TECH PITCH”と題して、各テーマ別でのピッチシリーズを毎月1回程度開催していきます。その第1弾として4月18日(月)18:00より、「エネルギー編」と題して未来を担うエネルギーの技術シーズや革新的なビジネスを持つ研究開発型スタートアップ&研究者によるピッチバトルを行います。各シリーズの優勝者が集結する本大会を2023年に開催予定です。ぜひご参加ください。
イベント概要と登録はこちら:https://esg-tech-battle-series1-energy.peatix.com/view
<ESG TECH BATTLE 2022 powered by NEDO 運営事務局>
CIC Tokyo (https://jp.cic.com/)
U3イノベーションズ (https://u3i.jp/)