イベント情報

M&A エグジット攻略会議 第3回開催レポート:PMI(統合フェーズ)の戦略・実務と、M&A経験者のリアルな声を共有!

April 8, 2026

E&E Community by CIC and U3Innovations
2026年3月24日 10:20

スタートアップと大企業の「M&Aエグジット」を理論と実践から理解する3回シリーズの最終回となる第3回を、3月18日にCIC Tokyoにて開催いたしました。今回のテーマはM&A成立後の統合プロセス「PMI(Post Merger Integration)」です。3回シリーズを通じてご登壇いただいた専門家3名に加え、実際にトヨタグループへの会社売却を経験した起業家をゲストスピーカーとしてお迎えし、PMIの理論と実践の両面から議論を深めました。

講演者

・山本 俊介 氏 / A2Z Accounting Office 公認会計士・税理士

・辻本 直規 氏 / 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 弁護士
・山上 浩司 氏 / 株式会社プルータス・コンサルティング
・白坂 一 氏 / 株式会社AI Samurai 代表取締役・弁理士(ゲストスピーカー)

講演内容のハイライト
1. PMIの全体像と成功のカギ

公認会計士の山本氏から、グローバル企業の買収統合を複数件手がけた経験をもとに、PMIの全体像を解説いただきました。取り組むべき領域として、経営戦略・業務インフラ・財務経理・人事労務・IT・組織文化を挙げ、経営層の意思決定機関、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)、各領域のワーキンググループという3層構造の体制を紹介しました。
特に強調されたのは、PMO中核メンバーの専任配置の重要性と、100日プランによる段階的なアプローチです。「DAY1にしっかりと方針を宣言し、100日で小さな成功を積み上げること。そして大企業側のスピード感の遅さが子会社に不信感を生みやすいため、透明性とスピード感あるコミュニケーション、買われた側の文化への配慮が不可欠」と述べました。

山本 俊介 氏 / A2Z Accounting Office 公認会計士・税理士 / 監査法人、コンサルVC、事業会社等を経て2020年にA2Z Accounting Officeを設立、現在に至る。スタートアップ企業の業績管理支援、M&A支援、ガバナンス設計支援を中心に、日々奮闘中

2. 法務観点でのPMIとインセンティブ設計
辻本氏は法務の観点から、ガバナンス方針を買収前に合意しておくことの重要性を指摘しました。役員派遣や承認事項の明確化に加え、DD(デューデリジェンス)の段階からPMI責任者が関与し、対象会社との関係構築を早期に始めることが円滑なPMIにつながると解説しました。

辻本 直規 氏 / 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 弁護士 /  シード・アーリーステージからレイターステージまで幅広く支援している(IPO支援を含む。)。得意領域は、コーポレート・M&A、知的財産取引、契約法務。スタートアップの非常勤監査役としても活動。

山上氏からは、PMIにおけるインセンティブプランとしてのストックオプション活用法が紹介されました。売却後の元オーナーに対し、譲渡した会社の株式を対象とした有償ストックオプションを付与することで、「第2創業」としてのコミットメントを引き出す仕組みです。親会社の株ではなく自社の企業価値に連動させることでPMIへの本気度が高まること、税務面でも譲渡所得課税が適用されるメリットがあることなどが解説されました。

山上 浩司 氏 / 株式会社プルータス・コンサルティング / 証券会社、M&Aブティックを経て当社に入社。幅広い現場経験を生かし、現在はスタートアップから上場企業まで、資本政策のソリューション提案を行う。ストックオプションに関するセミナーを多数実施中。

M&A経験者によるケーススタディ
ゲストの白坂氏は、AI活用の知財プラットフォームを手がける株式会社AI Samuraiの創業者です。当初はIPOを目指していましたが、2023年に生成AIの急速な進化を目の当たりにし、「独自ブランドでの勝負には限界がある」と判断。海外企業とトヨタグループの2社を候補に交渉を進め、最終的にトヨタグループへの売却を実現しました。

PMIの実体験として、大企業のコンプライアンス体制とスタートアップのスピード感のギャップに触れ、「プレスリリース一つにも稟議が必要な環境に最初は戸惑った」と率直に語りました。一方で「もっと文化を壊してほしいと言われることもあり、同じ方向を向いて頑張っている」と前向きな統合プロセスについても話されました。IPOからM&Aへの方針転換に際してのVCとの交渉や、優先株の条件解除提案など、実践的なエピソードも共有されました。

白坂 一 氏/  弁理士法人白坂/株式会社AI Samurai 創業弁理士 /  博士(知識科学)、弁理士。株式会社AI Samurai CEO、弁理士法人白坂 創業弁理士。北陸先端科学技術大学院大学 客員教授、経済産業省Healthcare Innovation Hub アドバイザー、文部科学省アントレプレナーシップ推進大使。防衛大学校理工学部卒業後、横浜国立大学大学院で修士課程、北陸先端科学技術大学院大学で博士号を取得。富士フイルム知的財産本部勤務を経て2011年に弁理士法人白坂を設立し、米ナスダック上場のビッグデータ企業関連会社の社長を兼任。2015年にAI Samuraiを創業し、2025年にトヨタ系子会社としてM&Aを実現。

参加者の反響
質疑応答では登壇者同士の掛け合いも活発に行われ、白坂氏の「自分の会社ではなくなったのだから、入れ込みすぎないことが大事」という言葉が印象的でした。山本氏からは「とても良いM&Aですよね」との感想が寄せられ、円満なPMIの好事例として参加者の理解が深まりました。3回シリーズを通じて、協業・資本提携(第1回)、企業価値評価とDD(第2回)、PMI(第3回)を体系的に学ぶ貴重な機会となりました。

第1回・第2回の開催レポート


「M&A EXIT 攻略会議」は 環境エネルギーイノベーションコミュニティ(E&Eコミュニティ)との共催イベントです。E&Eコミュニティは、持続可能な未来の実現に向けて、産業界、学術界、政府機関の連携を促進し、革新的なソリューションの創出を支援しています。

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