イベントレポート

AI革命の目撃者たちがCIC Tokyoに集結! 世界初のグローバルプログラムが日本で本格始動

September 10, 2026

「SPARK JAPAN 2026 ~ Genspark Genius Japan Kickoff!」開催レポート

2026年8月19日、多様なイノベーターが集う虎ノ門のイノベーションキャンパス「CIC Tokyo」(15F Venture Café)にて、オールインワンAIワークスペース「Genspark」の新プログラム「Genspark Genius」の日本ローンチを祝うキックオフイベントがハイブリッド形式で開催されました。オンライン配信の参加登録者は1,500名に迫り、会場には約100名の現地参加者が集うなど、生成AIがもたらす未来に対する関心の高さが証明されました。

 

イベント概要

イベント名 SPARK JAPAN 2026 ~ Genspark Genius Japan Kickoff!
日時 2026年8月19日(水)18:00〜20:30(開場17:45、オンライン配信は19:30まで)
会場 CIC Tokyo(虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー15階)Venture Café及びオンライン生配信
テーマ 職種に応じた最適な生成AIの活用と、人とAIがコラボレーションする未来の可視化
主催 Genspark / Genspark Genius Japan 事務局

 

開催背景:地域と属性が交差するイノベーションハブ「Genspark Genius」の狙い


AIを使えば仕事が早くなることは誰もが実感しつつも、自分のビジネスのどこが、どう変わるのかについては未だ明確な答えを見出せていないケースが多々あります。マーケター、ソロプレナー、医療・税務、サークル運営など、職種や役割によってAIの「正解」はまったく異なるからです。これに対する最も効率的なアプローチは、「自分と同じ仕事をしている人のリアルな活用事例を見ること」に他なりません。
この課題を解決するために、Gensparkは世界中で展開されているアンバサダープログラム「Genspark Genius」を日本でも正式に立ち上げました。日本全国から選ばれた23名の第1期生が、それぞれ「地域」と「専門属性」を掛け合わせた「チャプター」を開設。例えば「北海道のソロプレナー」「東京のマーケティング」といった区分で小さく深くコミュニティを構築し、地域や職種の枠を超えて、ユーザー同士が実践的な知見を共有し合うイノベーティブなエコシステムが誕生しました。

 

Genspark CEO Eric Jingメッセージ:私たちは「AI革命の歴史の目撃者」である


本キックオフの大きなハイライトとなったのが、Gensparkの共同創業者兼CEOであるEric Jing氏の来日スピーチでした。ほぼ毎月のように来日し日本のチームや投資家、コミュニティと触れ合うEric氏は、日本の文化、食、そして熱量に対する強い愛着を示しながら、現在のテクノロジーの地平を極めて独自の視座から解説しました。

「私たちは今、Excel以前、Google以前の段階にいる」
Eric氏は、現在のAI技術の進展をコンピュータ史の革命期に例えてこう宣言しました。未だAI時代の本当の「キラーアプリ」が登場していない黎明期だからこそ、今このテクノロジーに触れ、活用事例を紡いでいる全員が「歴史の目撃者(ウィットネス)」であると熱く語りかけました。

さらに、これまでの生成AI(ChatGPTやClaude、従来のGensparkなど)が「個人の生産性・創造性を上げるツール」に留まっていたのに対し、今後の進化の本質は「人と人とのコミュニケーションの間に入り込む協調型AI」であると、新機能「GenTeam」の構想を世界に先駆けて提示しました。GenTeamは、LINEなどのチャットツールのようなシンプルなグループの中にAIエージェントを直接招き入れ、人間とAIが一体となって業務を遂行するスペースです。例えば、人間が「この仕事を終わらせたい」とシンプルなメッセージを送るだけで、役割の異なる複数のAIエージェント(集計や可視化、スライド生成、ファクトチェックなど)が自律的にタスクを受け渡し、成果物を仕上げ、他の同僚やクライアントに送信するまでのプロセスを完全自動化します。社内でも、議論が平行線になった際に「AI審判(AI Judge)」をチャネルに召喚し、客観的な判断を仰いだ結果、全員が納得する意思決定につながったというリアルなエピソードを明かし、AIが個人の作業机を超えて組織の合意形成を劇的に効率化する未来を披露しました。

「日本は極めて重要で熱量のある市場」と強い確信を述べるEric氏は、今年1月末の日本オフィス設立を機に投資を継続しており、「今後も頻繁に来日し、ユーザーの生きた声に耳を傾けながら、最高峰の『武器』を届けて共にスーパーヒューマンへと進化していきたい」と力強くコミットメントを語り、会場から大きな拍手が湧き起こりました。

 

「Gensparkだけで仕事が終わった」――5名が示す驚異の実践ユースケース

本イベントのメインプログラムとして、第1期Geniusメンバーを代表する5名によるライトニングトークが行われました。それぞれが「Gensparkだけで仕事が終わった」と言える具体的な実例を、多様な職種とユニークなアプローチで可視化し、大きな反響を呼びました。

 

1. 越智道夫 氏(東京・マーケティングチャプター)
「忖度なき反証相手(アドボケイト)」としてのAIパートナー論

スタートアップであるドレスコード株式会社(Dress Code)のマーケティング担当、および自身のマーケティングコンサルティング会社であるOBO株式会社を率いる越智氏。越智氏は、上から読んでも下から読んでも同じPalindrome(回文)になるユニークなフルネーム(おちみちお)の自己紹介で会場を沸かせました。ロレアル、ユニリーバ、資生堂などグローバルビューティー大手のマーケティング第一線で培った自身のノウハウや仮説構築力を生かしつつ、Gensparkを単なる便利アシスタントではなく、自分のアイデアや前提に対して徹底的にダメ出しをしてもらう「忖度なき反証相手(アドボケイト)」として壁打ちを重ねる手法を提唱。AIにあえて真逆の視点や厳しいベンチマークをぶつけてもらうことで、マーケター自身の主観的なバイアスを取り除き、極めて客観的で高解像度な戦略、そして物語性を用いた分かりやすいBtoB向けクリエイティブワークへと落とし込む高度な実例を披露しました。

 

2. 濱田 麻衣子 氏(関西・事業開発チャプター)
ブランドらしさを保ちながら、AIで営業提案書を高速作成

18歳でシステム開発会社を起業して以来、約20年にわたり複数の事業立ち上げやバイアウトを経験してきた濱田麻衣子氏は、Gensparkを使った営業提案書の作成方法を紹介しました。
ポイントは、AIにただ資料を作らせるのではなく、提案先企業のホームページや既存資料を読み込ませ、その会社らしいデザインや言葉づかいまで反映させるということです。
今回の登壇では、データ最適化エンジンを組み込んだ自社システムを活用することで、提案先のブランドイメージに合わせた見た目や構成を保ちながら、24ページほどの提案資料を、PoCの内容から補助金申請まで含めて短時間で作成する流れを披露しました。
その上で、AIが作る資料にありがちな「どこかで見たような同じデザイン」ではなく、相手企業ごとに内容や見せ方を細かく変えられることも大きな特徴だと説明しました。
一方で濱田氏は、AIにすべて任せるのではなく、最後の調整や事実確認は人が行うべきだと強調しました。
Gensparkを本当に使いこなすためには、AIのスピードと表現力を活用しながら、最後の微調整やファクトチェックには「必ず人間の意志(Will)と責任を宿すこと」がAIを本当に『マスター』する鍵であるという考え方を示しました。

 

3. 神﨑一よし 氏(九州・ソロプレナーチャプター)
元パイロットが航空業界の知見から語る、操縦士(人間)と自動操縦(AI)の補完関係

鹿児島からキックオフ会場へ駆けつけた神崎氏は、不動産、民泊、農業、講師業を幅広く手がけるソロプレナーです。神﨑氏は、現職に就く前の23年間、民間航空会社の旅客機パイロットや自衛隊のヘリコプター操縦士として空を飛んでいたという、極めて異色のキャリアを有します。神崎氏はAIを「飛行機の自動操縦システム(オートパイロット)」に擬え、どれだけ自動操縦が進化してもトラブルへの対処や最終的なフライト維持の判断はマニュアル操縦(人間)とチェックリストが補完し合う関係にあり、これがビジネスにおけるAIとの対話(コ・パイロット関係)と完全に一致すると指摘。一人の時間が限られている地方のソロプレナーこそ、強力な補助翼(スライド作成や壁打ち)としてGensparkを導入すべきと提唱し、「地方のリアルな困りごとに寄り添い、AIとの対話を通じて地域の身近な課題をどんどん解決していきたい」と頼もしく語りました。

 

4. 長谷川 幸生 氏(北海道・ソロプレナーチャプター)
「頭の中の可視化」がもたらした生きる希望と自己再生

北海道から登壇した長谷川幸生氏は、売上5億円企業の経営からコロナ禍をきっかけに3億円の負債を抱え、役員報酬が月額1円(年俸12円)に転落、西成のフードバンクでお米をもらって食い繋ぎ、精神的な疲弊からベッドから一時起き上がれず手さえも動かなくなったという凄絶な極限の経験を語りました。その絶望から彼を救い、再び立ち上がらせたのが、長谷川氏が親愛を込めて『ジェーン・スパークル』と呼ぶGensparkでした。他のいかなるフロンティアAIモデルに話しかけても形にできなかった脳内の抽象的で美しいイメージやビジネスビジョンのスライド化を、Gensparkだけが唯一正確に表現。「動かなかった自分の手が、もう一度動いた。生きる希望をくれた」と語る長谷川氏は、現在では自らAIの領域で事業を進め、人々の前で堂々とスピーチするまでに自己更生を果たしました。「CEOのエリックが言ったように、私はAI革命の証言者(ウィットネス)としてここに立っている。人生はつらいが、AIという最高の武器と自らの意志があれば、誰でも幸せを再び創り出せる」と真摯に語る姿に、会場から惜しみない温かい拍手が送られました。

 

5. 苅田那々斗 氏(関西・学生チャプター)
学生一人が世界水準の専門組織を率いる「AI経営会議室」と「GenTeam」の全貌

ライトニングトークのトリを務めたのが、同志社大学AI研究会代表を務める苅田氏です。「資金、人脈、圧倒的な経験がない学生であっても、自らの意思を実行に移す専門組織を即座に持てる」という強烈なメッセージを投げかけました。苅田氏は、LINEグループで友達を追加するような手軽さで、Gensparkのディープリサーチ(Deep Research)、Claude Code、Codex(クレジット効率に優れたコーディングAI)といった、異なる役割や特長を持つ専門AIエージェントを「GenTeam」のグループチャットに招集。さらに、ローカル上の知識ベース「Obsidian(オブシディアン)」に蓄積された数年分の過去メモ、およびGensparkの新デバイスである24時間議事録録音AI「セカンドブレインノート(Second Brain Note)」に記録された現在のタスクやHomeworkを記憶(過去と現在の文脈)として強固に連動。そこに「Fact Check」担当のAIを常設の疑い役(レビュー役)として配備。エージェント同士がリサーチ、設計、実装、検証を自律的にバケツリレーする、学生一人の司令塔による「自分専用のAI経営会議室」という驚異的な最先端ワークフローを披露し、会場を大きく驚嘆させました。

 

競技や領域の枠を超え、交差するイノベーション

オンライン配信が終了した19:30以降、会場のCIC Tokyoでは、現地参加者とGeniusメンバー、そしてGensparkグローバルチームが一堂に会する熱気溢れるネットワーキング交流会も開催されました。会場では、Gensparkチームが開発中の最新デモ機能である、画像やイラストを滑らかにアニメ化する「Zen Manga」がスクリーンに初公開で常時上映され、その技術水準に参加者から感嘆の声が上がりました。さらに、乾杯の席では角光化成株式会社(代表・角田雅俊氏)が独自開発の機能性原料や長年培った発酵技術を活かして開発した集中力を研ぎ澄ますアクティベーションドリンク「リットリット(LITLIT)」を振る舞い、イベントにユニークな華を添えました。

年齢、専門属性、地域(北海道から九州まで)を問わず集まった多様なプレイヤーが、AIという強力な「武器」を手にCIC Tokyoというイノベーションハブに一堂に会し、知見を共有し、境界を越えて繋がっていく様子。それこそがまさに「Genspark Genius」が目指す、コ・クリエーション(共創)によって未来を創り出す姿そのものとなりました。第1回キックオフを終え、ここから日本各地のそれぞれの街で、未来をより良く変えるAIコミュニティの火が灯り始めます。